私たちの活動に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
代表理事の松本靖子です。
「どうして、こんな活動をしているの?」
沢山の方に聞かれます。
会社に勤めていた頃に、職を失い社員寮を出て行かねばならない方と接する事がありました。
幼い頃から、頼れる身内のいない方でした。
「会社と寮を出たら、僕には帰る場所がありません。どこにも行くことができません。お願いです、何でもしますから会社にいさせてください。お願いです…。」
会社をやめることは、彼にとって仕事も暮らしも一度に失ってしまうことなのです。
私はこの時、家族にも誰にも頼れずたった一人きりで生きている方がいる事を、初めて知りました。
人1人の『生活』が崩壊する瞬間を目の前で見ながら、でも私はその時、どうする事もできませんでした。彼に居てもらう場所も、毎日の食べ物を用意するお金も力も無かったからです。
絶望に項垂れながら会社を後にする彼の後ろ姿を、何年経っても忘れる事が出来ません。
何一つ出来なかったという恐ろしい現実だけが、私に残されたものでした。
けれどその一方で、日本では使われないままの社会資源が大量に捨てられています。年間600万t以上にも及ぶ食品ロスに、空家問題。「上手く活用できれば、苦しみの最中にいる人も希望を取り戻し、一緒に歩き出せるかもしれない。」そんな思いで、まず、フードバンク多摩を作りました。
シェア・マインドの願いは、次の通りです。
お腹を空かせている方に、食べてほしい。
たった一人で悩んでいる方が、ほっと一息つけるような居場所を作りたい。
寄る辺なく生きてきた方たちが、もう一度希望を取り戻せるよう、一緒に考え、一緒に歩きたい。
困っている方たちが安心できる社会は、きっと、どんな人にとっても暮らしやすく、幸せな社会であることを信じて。
私たちは今日も、活動を続けています。
代表理事プロフィール
松本 靖子
1981年6月30日生まれ。東京都多摩市に生まれ、多摩市で育つ。
幼少時より、障害者や社会的マイノリティと、その家族が社会環境の中で受ける苦しみを、間近で経験する。そして2015年、貧困によって全てを失った方を目の当たりにし、団体設立を決意する。
2015年11月、内閣府より認定を受けNPO法人シェア・マインド設立。
人が人としてあたりまえに守られるべき尊厳を、守り支える団体でありたいです。
■公益社団法人 東京社会福祉士会 低所得者支援委員会所属
■フードバンク府中設立メンバー